🇹🇭タイツアー④
帰って来てから10日以上経ってしまった。
はやくこれ終わらせないと次に進めない。
7日目
最後のライブ。SWEAT ROCKという場所でNew Old Stockというイベントに出演させてもらう僕ら。タイの飯にもだいぶ慣れてきた。会場に用意されたガパオ食って、リハーサル。
会場はスーパー金持ちのオーナーのレストラン形式のところ。オーナーがドラム(趣味)をやるんだけど、ドラムがすごく高い位置にあるステージだった。
リハ終わってからそのまま本番まで会場にステイ。そしたら恒例のスコール降ってくる。
タイでの雨の事情(水はけの悪さ)は結構深刻で、車文化のタイでは、スコールが降ると渋滞する。渋滞すると、イベントへの影響がかなりある。案の定、この日予定されていた演奏以外のブース、ビンテージ物の車の展示やファッション関連のものはキャンセルになってしまった。Drive達は結構くらってた。俺らにはそういう素ぶり見せなかったけど。
とはいえイベントは決行なので、客入りはまばらのままスタートした。一番手はジンだった。
時間になってもなかなかジンのライブが始まらない。タイに来てからそういうこと何回かあったから慣れて来てはいたけど、なんか、変な雰囲気だった。
いよいよ始まる時間に!と思ったら、オーナーが出て来てご自慢のドラムセットでバカスカ叩き始めた。なんだこれ。ジンは目の前でセッティングしてるのに。なんだこれ。って、なった。なるほど、金持ちのオーナーってのは、そういうことか。
もちろん呼んでもらってる立場だしGOODERSの面子もあるし、すごく複雑な感情になった。ジンのライブが始まった。
今までで見た中で一番いいライブだった。"俺こういうシチュエーションの方が燃えるから"と言っていたのは、まんざらでもなかった。ジンの次は俺だった。
今までそんなことなかったのに、ジンが、英語で"次に出てくるこっけってやつはマジやばいからチェックしとけ!"的なニュアンスで紹介してくれた。素直にグッと来てしまった。
ほんで俺の番。
正直、今日でこのメンツで過ごしてきたこと、思い出して、胸が詰まって、上手く歌えなかった。でも我慢した。歌ってる間に、気持ちが溢れかけたけど、我慢した。GOODERSのみんなもそうだし、みんなの顔見えたけど、俺の顔は見えてたかな。バレないようにはしたつもり。
ライブ終わって、U BEER取りにいって!そこまでは大丈夫だったんだけど、 おつかれー!って乾杯して、めっちゃよかったよー!って言われた瞬間に、溢れ出してしまった。終わりたくねえー、もっとこのままでいてえー、終わらないでくれえー、って。もうほんと、バカバカ泣いた。んでみんなもつられて泣いた。まだ俺とジンしかライブ終わってないのに。なんだよこれ、アラサーのおっさん達が、こんなにビャアビャア泣いて、なんなんだよ、最高だよ。
他のみんなのライブも、最高だった。正直言うとそんなに覚えてないけど、この日の写真が全然ないってのは、そういうことだったんだと思う。楽しすぎた。ハッピーだった。天国よりもいいところだった。天国いったことないけど。でも、天国よりもいいところだった。
みんなのライブ終わって、燃え尽きかけてる気持ちにもっかい火をつけて片付けて、ハウスに移動。ハウスでもやはりエモい。みんなエモい。お別れの気配が、気配だけだったものが、形として、目の前に迫ってきていた。この日もやっぱり、ビール飲んで寝た。
8日目。
みんなでお土産買いにショッピングモールいったりして、空港に向かう直前のハウスにて。
3日目くらいから、俺ら日本チームの中で、どうやってこの感謝の気持ちを伝えようってなって、色々考えた。日本食を作ってご馳走しようとか、色々。んでたどり着いたのが、寄せ書きだった。
ジンに似顔絵描いてもらって、その周りにみんなで寄せ書き。最終日の朝。みんなにも伝えたけど、こういうの、嫌がる人いるじゃない?けどこの瞬間に誰もそういうの嫌がる人がいなかった。タイ語で書いたり、英語で書いたり、日本語で書いたり。この瞬間にやっぱりこのメンツでツアー回れてよかったと本当に思った。
みんなで渡した。色紙。喜んでくれた。でもGOODERS達は、『どっちがどんだけしてくれたからどう!とかじゃなくて、シンプルにこの関係続けたいよね』って言ってくれた。返す、返さないとか、そういう話ではなくて、今、その瞬間にどう思って、何が大切なのか、僕らは知っている。でも気持ちが収まらない。それをみんな気付いていた。空港に着いても、全然帰らない日本の僕らの振る舞いは、どの日本人よりも、別れを惜しんでいた。
そうして、みんなは帰国。おれは延長3日間。
象乗ったり、飛び込みでライブさせてもらったり。もうこっからは観光っぽくなっちゃうからアレなんだけど。
タイから帰って来て10日以上経っても、やっぱりあの体験はほんとうに何にも代え難いものだったと思う。
それでも日々は続いていく。今日は音の旅crewのレコ発で下北沢ERAにいる。そこで話すのはタイの話だったりする。途切れさせたくない。続けていかなきゃ。僕らは、コレを、ちゃんと続けていかないといけない。このメンツで集まれば話せる、じゃなくて、この気持ちを、シェアできる人が、増えればいいな。
とにかく続けよう。僕らは続けよう。終わりがあっても見て見ぬフリして、続けよう。それだけさ。
強引だけど、終わり!タイの話はいったん終わり!!またね!!